So-net無料ブログ作成
検索選択

またMRJ

残念なことにMRJのANAへの引渡しが1年以上遅れ2018年半ばになってしまいました。

三菱航空機技術部門のトップである岸副社長によると、報道で伝えられていたような主翼の強度不足ではなく、『3回の飛行試験で大きな問題は起きていないし、何らかのトラブルで日程を変更した訳でもない』とのことです。

強度で改善すべき点があり、現在、飛行試験機の主翼付け根部分や胴体部品の補強改修を行っていることは事実だが、この程度の改修は珍しいことではなく、1月中には飛行試験を再開すると説明し、ANAへのDelivery遅れの理由は、『50年振りの “民間機” 作成の知見が足りず想定が甘かった』と言うことだそうです。

遅れの理由を簡単に言えば、『FAAの型式証明を取るのには(現在のTime scheduleを大幅に延長しなければならない』と考えられ開発当初から懸念されていたことです。

森本浩通社長は『いろんなリスクを織り込んで日程を見直したが、旅客機開発には予見しづらい部分も多い。2018年半ばの納入開始を確約できるかというと、正直、断言は難しい』と、更に納期が遅れるリスクを否定しませんでした。つまり、一応、2018年半ばとは言ったものの『更に引渡しが遅れる可能性がある』と言っているに等しいと思います。

めでたい初飛行では、『予定通りに引き渡す』と発表しながらこの体たらく。恐らく、初飛行時には初号機の引渡しが遅れることは解っていたのでしょうが 『何時頃』と言えるまで詳細が決まっていなかったので「予定通り」と言わざるを得なかったのでしょう。姑息としか言いようがありませんネ。

一方、MRJ最大のライバル、エンブラエルE2の動きはどうでしょうか。機体の引渡し計画は次のようになっています。
   ● 2018年前半に97 ? 106 席の「190-E2」
   ● 2019年に118 ? 132 席の「195-E2」
   ● 2020年に80 ? 90 席の「175-E2」

計画が全て予定通りに進む保障はありませんが、E2は既存機の改造型であり、ゼロからの開発であるMRJよりは遥かに順調に計画が進むのではないでしょうか。

MRJが計画当初、ERJ(やCRJ)に比較し有利な点は
    引渡し次期が圧倒的に早い
    Engineが新型のGTF (Geared Turbo Fan) であり、競合多機種と比べて圧倒的に
燃費が優れているの2点にありました。

開発遅れでMRJの優位性は崩れ、上記2点は現在ではE2とホボ同等のレベルになっていると考えられます。また、近代旅客機に必須のRNAV装備やそれらの機体とのマッチングでは圧倒的にERJ-E2が有利でしょう。

BombardierもCRJ機にVNAVを導入した時は、FMCと機体のInterfaceがうまくいかず最終的にはFMCをUpgradeせざるを得なくなり Operator (私がいた会社)へのVNAV装備機の引渡しは1年遅れてしまいました。

Embraerは、現在世界最大のRegional jet機製造会社であり、世界中に張り巡らした顧客サービス網は、これからサービス網を構築するMitsubishiと比較し断然優位にあります。これらを考えると、MRJ販売はピンチに陥ったと判断するのが妥当でしょう。

Bombardier社がRegional jet機の開発をやめ、A320やB737と競合するCSiriesの開発に踏み切ったのは戦略的な誤りとしか考えられません。世界中の近代旅客機をホボ100%提供しているBoeingとAirbusに真っ向から挑戦する『その意気や良し』としても相手が悪すぎます。Bombardier社は航空機メーカーとして存続の岐路に立っていると思います。

本年も宜しくお願い致します。

nice!(0)  コメント(8)  トラックバック(2) 

nice! 0

コメント 8

フライトシミュレーター体験ツアーありました

労働人口が減少してゆく日本は、飛行機の機体より国産ジェットエンジンなどを開発すれば良いような気もします。あえて国産機ならば、最近流行のドローンのような構造の産業用大型マルチコプターなどを開発してヘリコプター市場を席巻するようなことすればおもしろいのに。

たまたま、見つけた広告なのですが日本国内でのフライトシミュレーター体験ツアーがありました。NCAのフライトシミュレーターで、料金は10万円と5万円です。もっと安ければ、参加してみたいです。発売しているのは、成田空港にあるカプセルホテルの会社のようです。
https://ninehours.co.jp/campaign/c_1116.php
by フライトシミュレーター体験ツアーありました (2016-01-15 11:21) 

Oldfogy

経済力の大きい先進国で旅客機を製造していない(できない)国は日本だけです。国や三菱の面子もあるのでしょう。

また、飛行機を製造する技術は裾野が極めて広く波及効果も大きいと言われています。

IHIでは国産エンジンを製造・開発しています。

Flight simulatorのツアーは不定期にはイロイロなところであるようです。ANA系列のPandaは若い人(Pilot希望者)を対象にSIM経験を行いました。

航空会社がSIMを借りると(力関係によりますが)1時間当たり数万円~10万円になります。元々が高いのですね!SIMといっても、1台当たり、20-30億はするので仕方ないのかも知れません。
by Oldfogy (2016-01-18 13:52) 

フライトシミュレーター体験ツアーありました

あっ! Oldfogyさん、いまあまり忙しくないのですか?
投稿にコメントしていただき、ありがとうございます。
大手航空会社が、SIMを借りるときも高いのですね。。。知りませんでした。

ところで、質問があるのですが…、Oldfogyさんの都合がよいときで今後機会があったら教えてください。(来年の正月休みとかでも大丈夫です、急ぎませんし気が向かなかったら放置でよいです)
質問:飛行機は、航空路の中心を飛んでいますか?
 四国に住んでいるのですが、よく四国中央市上空を通過する飛行機をよく見かけます。Flightradarというサイトで調べたところ中国や九州のほうから来た飛行機が、KIXに着陸するために松山あたりから高度を下げはじめ、四国中央市あたりを通って阿波池田に出てそこからは吉野川に沿ってKIXに向かっていることが分かりました。ところで、日によって飛行機の飛ぶ位置が四国山脈側だったり瀬戸内海側だったりします。たぶん10Kmくらいは幅があると思います。四国中央市を通過するKIX着陸機は、高度20000ftくらいなので、飛行機が見えるときはとくに天気が悪いというこをもないし、どうしてでしょうか?
失礼しました。
by フライトシミュレーター体験ツアーありました (2016-01-18 19:16) 

Oldfogy

まず、SIMのほうから。

大手航空会社(A社やJ社)では自分のところで型式毎に複数(2~3台)のSIMを持っています。

日本のLCCは自分では持っていません。高いのと、自社で持つほど使用頻度が多くなく、大手から借りたり、訓練専門の会社(Panda)へ訓練を委託します。

飛行機は航空路の中心を飛んでいます。また、規則で中心線を飛ばないといけません。以前のようにVORとVORを結んだ航路をVORを使用して飛ぶと、1マイルくらい”ずれる”時もありました。電波伝搬(電波は本当の直線にはならないから)の結果です。

近代航空機はRNAV (Area Navigation) 機能を備えてGPSで自機の位置を測っているので航空路の中心から0.1とか0.2マイルくらいしか外れません。

KIXへの航路が日によって異なることは基本的にはありませんが、飛行機が着陸のため、航空路から降下をはじめKIXのRadar誘導(Radar vectorといいます)が始まると飛行機に飛行する針路が与えられ航空路から外れます。ただし、毎日同じ経路かというとそうでもありません。経路が異なる一番大きな理由は経路上の天候です。経路上に悪天があれば、その悪天候空域は避けて飛行します。

このRadar誘導は飛行機の混雑具合や着陸する滑走路により一定の経路を飛行することはありません。進入管制所の管制官(Approach controler)が飛行機に針路を指示します。

STAR(Standard Terminal Arreival Route)といって航空路と最終の計器進入(例えばILS)を結ぶ経路が設定されていますが、このSTARも飛行機が飛んできた経路や着陸滑走路により複数設定されています。

取り合えずはこれくらいで如何でしょうか?
by Oldfogy (2016-01-24 14:47) 

フライトシミュレーター体験ツアーありました

Oldfogyさん、お忙しいのにご返答ありがとうございました。
それと、わたくしの投稿の作文が拙くて読みづらいもだったことを誤ります。
すみません。。。(毎回、後で自分の投稿を読みなおして次回からは少しでも読みやすい作文が書けるように努力しているのですが、毎回、誤字などがあります。今回は、「よく」を連続して使ってしまいました。なんと、とろくさいことをしてしまったといつも反省するのですが、治りません。すみません)

詳しい、SIMの情報ありがとうございます。SIMについてもたくさん知りたいことがあるのですが、機会を見計らって再度質問したいです。その時は、よろしくお願いします。

KIXへの着陸機の件、わたくしのような知識のない者にはなかなか複雑です。「Radar vector」確か、FDさんのところに詳しいのがあったような…勉強してみます。いままで、勝手な想像でKIXへの着陸経路はオートパイロットに設定した決まった経路の中心を飛んでるんじゃないかと思ってました。(笑)
しかしまだ、ビンとこないのでOldfogyさんのご返答中のキーワードを頼りに更に調べてみます。どうもありがとうございました。
なんだか、お天気が酷いことになっていますが安全第一でどうぞ!


by フライトシミュレーター体験ツアーありました (2016-01-24 20:20) 

フライトシミュレーター体験ツアーありました

いかーん!
またやってしまいました。
自分の否を「誤る」ではなくて「謝る」でした。。。
だいたい分かってきました、どうして誤字などをするのかが。
どういうときかというと、「今回のように、作文の書き方など些細なことについてまで謝ったりする自分は、なんとまじめで良い人間なんだ」などと自分に酔っているときに油断することが多い!です。そう、こういうことは前にもありました。
今後、気をつけます。
すみませんでした。m(_ _#)m
by フライトシミュレーター体験ツアーありました (2016-01-24 20:35) 

Oldfogy

気にしないで、ご質問があれば何でも聞いて下さい。

但し、航空マニアが長い方はプロでも知らないような事を聞いてくることがあります。その時は、「わかりません!」です(笑)

by Oldfogy (2016-01-30 15:17) 

フライトシミュレーター体験ツアーありました

お気遣い、ありがとうございます。
普通の人にとってはどうでもよいようなことなのですが、飛行機の気になることたくさんあります。今後、Oldfogyさんやほかの読者のみなさまのご迷惑にならないよう質問するようにしますのでよろしくお願いします。

*「投稿者の名前」についてですが、「ビッグデータ」の餌食にならないようにちょくちょく名前を変えますので失礼します。でも、文体は変えませんので誰が書いたかはすぐ分かると思います。

↓おまけ(学生さんの英語の勉強に役立つかも知れません。)

Airline Pilot Chatter
http://www.airlinepilotchatter.com/
多分、本物のパイロットのブログです。わりと簡潔な英語で書かれていて↓の辞書があれば読めます。上のほうにある[My Story]に著者がどうやってエアラインパイロットになったかが書いてあります。アメリカのパイロットは大変です。

Cambridge Dictionaries Online
https://dictionary.cambridge.org/dictionary/learner-english/
◎[Learner's Dictionary]で、英国と米国の発音を比較できます。
■[Search!]右横の[Learner's Dictionary]を押せば別の辞書を選べます。
*英英辞典「Cambridge Learner's Dictionary」でCDの付いた本を買えば、パソコンにインストールできます。



by フライトシミュレーター体験ツアーありました (2016-01-31 22:32) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。